ヨドコウ迎賓館へ行きました

有馬温泉の帰路、ヨドコウ迎賓館に行きました。                                     本建物はF.L.ライト(旧帝国ホテル設計)が山邑家(灘の酒造会社櫻正宗の8代目 山邑太佐衛門)の依頼を受けて、1918年に別邸として設計したもので、ライトが帰国後の1924年に彼の弟子である遠藤新、南信らによって建設されました。         1935年本建物は実業家に売却、終戦直後には進駐軍の社交場としても利用され、株式会社淀川製鋼所の所有になったのは1947年からで社長邸などにも使われ、1971年には老朽化のため建物を解体する計画が出されましたが、保存運動が実を結び計画は白紙となり、1974年5月21日に文化財名称を「旧山邑家住宅(淀川製鋼迎賓館)」として、鉄筋コンクリート造の住宅建築ではじめて、国指定重要文化財に指定されました。                                                       ライトが設計した日本の住宅で唯一、竣工時の姿で現存する希少な建物は、阪急電鉄芦屋川駅から徒歩10分、阪神間の邸宅街にあり、かなり急坂なライト坂の傾斜地に4階建で在りました。                                 シンメトリーなデザインはライト建築の特長で、幾何学模様が彫刻された大谷石の装飾が重厚な建物に温もりを感じさせます。   完成から100年を迎えた昨年、これまでの建物に加えて敷地全体が重要文化財に指定され、ライトの目指した「自然と建物の調和」に触れるとともに、設計士伊藤陽子40年来の夢を叶えることができたとても良い機会となりました。(写真は二階応接間)                                               伊藤清

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