足立美術館と庭園

「庭園もまた一幅の絵画である」足立全康氏のこの言葉に勝るものはありません。                      足立美術館が誇る五つの庭園、「枯山水庭」「白砂青松庭」「苔庭」「池庭」「寿立庵の庭」は、五万坪の敷地にそれぞれ異なるテーマで作られており、多様な庭が緻密に計算され美しさを誇り、歩みを進めるたびに眼前に広がる風情が、心を穏やかに癒してくれます。                                                  五つの中での主庭園は枯山水庭です。                                          美術館のメインロビーの前に広がる最大規模の庭園であり、足立美術館の顔とも言える存在です。               庭園の背景にある自然の山々(勝山)を、まるで庭の一部であるかのように取り込み、人工の庭園と天然の山々が完全に調和し広さ以上の奥行を感じさせます。                                              勝山は標高252メートルの山で、庭園の美しさを引き立てる「借景」として重要な役割を担っているだけに、木が伐採されたりして「借景」の美しさが壊されるのを防ぎ、景観を守るためにも創設者の全康氏が山を丸ごと買い取ったとの事です。         毎朝開館前の約一時間、専属の庭師だけではなく、スタッフ全員が竹ぼうきを持ち落ち葉一枚残さず庭園の清掃にあたります。  これは1970年の開館以来一日も休まず続けられており「全康マインド」として徹底されています。              どの庭にもいわゆる「人気/ひとけ」を感じないのも、徹底的に人がなし得た結果なのかもしれません。             ※写真は枯山水庭/かれさんすいてい                                          伊藤清

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