出雲大社本殿裏手の威容

「大社造り」は出雲大社本殿に代表される日本最古級の神社建築様式の一つです。 それは、切妻造り…屋根が本を伏せたような三角形の形を作る形式、高床式建築…古代の穀倉を思わせる高床構造、千木…屋根の頂部で交差するⅤ字状の部材、太い柱構造…大径木を用いた力強い柱組、の四つの特長を持っています。 裏手から見上げたこの写真は、大社造りの特長を端的に捉えており、特に大きく反りあがる屋根の曲線と、切妻造りの輪郭が美しく際立ちます。屋根は檜皮葺/ひわだぶき(ヒノキの樹枝を灰で乾燥させた屋根葺き材)で覆われており、全国から集められた約64万枚にも及ぶ檜皮が幾重にも重ねられ、軒先の厚みは約1メートルにも達し耐水性・耐久性を保持しています。 出雲大社本殿の檜皮葺の大規模な葺き替えは、平成の大遷宮に伴って行われ2012年3月完了、翌年修造を終えた本殿にご神体が戻され2019年に完遂しました。 次回の大規模修造は未定ですが、江戸時代以降おおむね60年周期で行われてきたとの事です。 檜皮は100年以上の檜から採取されるだけに、次の遷宮に向けた檜皮を確保するための森つくりがすでに進められています。 60年先を見据え時間をかけて計画的に行う檜皮の育成は、言うなれば、時間をかけて人を育てる、企業における人材の育成と深く重なるものがあるのかもしれません。 伊藤清
